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スバル 北海道「美深試験場」は「アイサイト」の次のステージを目指す起点になるか

2017年11月17日

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スバルは2017年6月2日に北海道・中川郡美深町にある美深試験場の増開設工事を行なうことを発表していたが、10月23日に工事が完了し、11月から運用が開始された。この竣工に先立ちスバルは「美深試験場」をメディアに公開した。

スバル 美深試験場 空撮風景

北海道・美深試験場の全景

■北海道・美深試験場

この美深試験場は、スバルにとっては栃木県・佐野市にあるスバル研究実験センター(SKC)に次ぐ2番めのテストコースとなる。

美深試験場は1995年に冬季用のテストコースとして発足。それ以前は、美深町周辺の道路で冬季試験を行なっていたが、1995年に施設が初めて完成し、以後は寒冷地テスト用のコースとして段階的に拡充し、2003年には寒冷地テスト用の高速周回路が完成している。

スバル 美深試験場 高速周回路 合流区間

追加された高速周回路の合流区間

今回行なわれた大改修では、冬季に行なわれる寒冷地テストだけでなく通年使用できるように設備が変更され、さらに、アイサイトの次のステップとなる高度運転支援システム(ADAS)を開発するために、既設のコースをベースに、より実際の道路に近づけるため、全長4.2kmの高速周回路には緩やかなカーブを追加。またインターチェンジなどを想定した分岐、合流路や多車線路、北米のフリーウェイを想定したコンクリート路なども新設している。

スバル 美深試験場 管理棟 ガレージ

新たに建設された管理棟とガレージ

実際、短時間ながら高速周回路のショートカット・コースを走行した印象では、SKCにあるようなオーバルの高速周回路ではなく、高速道路をイメージした高速路になっていた。コースの一部はコンクリート路で、それ以外にうねり段差を設けた場所もあったが、現実の高速道路の舗装路面の多様な種類やうねり路面などはなく、意外とシンプルでフラットな印象だった。

スバル 美深試験場 コース周辺風景

コース周囲は白樺林が広がる

また新たに高速周回路に隣接して、対面通行コースや、右折レーンのある信号交差点、ヨーロッパで多く見られるランドアバウトのある交差点など市街地コースも新設した。これらのテストコースを活用することでスバルは、アイサイトの次なるステップ、「高度運転支援システム」の開発を目指すのだ。

スバル 美深試験場 交差点を含む市街地コース

自動運転技術を開発するために新設された市街地コース

この新設された市街地コースは、信号のある交差点や横断歩道なども設置してあり、市街地の道路を再現しているが、まだ完成したばかりのためか、高度運転支援システムの観点からは見通しの効かないビル街の交差点など、要素は盛り込まれていない。

日本の市街地の道路を再現するようなリアルな道路環境設備は今後、順次付け加えられて行くのだろう。

スバルはこの美深試験場を整備したことで、アイサイトの次のステージを目指し、新たな運転支援システムの開発がスタートを切ったことを実感した。

■「アイサイト」というシステム

これからのスバルの先進運転支援システム開発の前にある課題は何か? それは独力でステレオカメラ式の運転支援システムを作り出したことだともいえる。

スバルは1999年にステレオカメラを搭載したランカスターADA(Active Driving Assist)を発売した。

このシステムは、ステレオカメラが前方の状況を認識し、ナビゲーションシステムの地図データなどと合わせて周辺状況を総合的に判断し、車線逸脱警報、車間距離警報、車間距離制御クルーズコントロール、カーブ警報/シフトダウン制御などを行なうものだった。

ステレオカメラは、ドライバーの目に相当し、対象物との距離が測定できるカメラとして、運転支援のために最適と考えたのだ。

スバル 美深試験場 ADAシステムの画像認識ポイント詳細

ADAでの画像認識

その次の世代は、2003年に4代目レガシィに設定された「3.0R ADA」だ。ステレオカメラに加えて新たにミリ波レーダーも採用し、両方の情報を協調制御している。これによってステレオカメラが苦手としていた夜間や霧などの状況もカバーする、ハイレベルな仕様だった。だがしかし、当時はミリ波レーダーの価格が高く、高コストのシステムになり普及させるのは難しかった。

スバル 美深試験場 BP/BL型レガシィに搭載されたADAシステム

レガシィ ツーリングワゴン3.0R ADA

スバル 美深試験場 ADAシステムのステレオカメラとミリ波レーダー

ステレオカメラとミリ波レーダーを使用したADA

この結果、スバルは開発方針を大きく転換し、機能と価格とをバランスさせる戦略にシフトし、2006年にはステレオカメラも採用せず、レーザーレーダーだけで全車速アダプティブクルーズコントロールを行なう「SI-Cruise」を4代目レガシィに搭載している。しかし、これはクルーズコントロールに特化しており、本来目指す方向とは違っていた。

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