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今マツダに何が起きているのか? SPCCIという独自の燃焼方式の誕生

2017年11月2日

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マツダ次世代技術徹底考察2017 vol.3/5

vol.1vol.2でマツダは、コーポレートビジョンをベースに、新たな取り組み、ユニークで専門的な取り組みをしていることを見てきた。そこから生まれてきた次世代技術のひとつとして、新しい燃焼方式のスカイアクティブXが産まれてきた、というのがこれまでの話だ。今回はこの排気量2.0LのスカイアクティブXとSPCCIを探求してみたい。

マツダ スカイアクティブX テストカー 走行イメージ

■リーンバーン燃焼

マツダがたどり着いたSPCCIという、プラグ点火をしつつ圧縮着火させていくという方式になぜ、考え出せたのか。燃費をよくしてCO2を削減するには、熱効率を飛躍的に上げる必要がある。そのためには圧縮比と比熱比を上げていくという理屈があり、圧縮比を上げることは既存の技術からも問題とはならないが、比熱比を大きくするにはどうしたらいいか、ということになったと説明する。

マツダ スカイアクティブX 既存エンジンとの立ち位置

ちなみに、スカイアクティブXの圧縮比は15から16、で燃料によって多少の変化がある。オクタン価は95と91に対応し、95は欧州でのレギュラー、91は国内や北米でのレギュラーガソリンに相当する。このあと試乗するプロトタイプ車には95Ronのガソリンを使ったモデルでの試乗だった。

さて、比熱とは、流体の温度を1℃上げるのに必要な熱量のことで、気体の場合、温度上昇によって圧力や体積が変化するため、比熱には2種類ある。圧力を一定に保った場合の比熱である定圧比熱Cpと、体積を一定に保った場合の比熱である定積比熱Cvのふたつ。このふたつの比熱の比を比熱比といい、比熱比κ(カッパー)はκ=Cp/Cvで求められる。

マツダ スカイアクティブX 比熱比改善目標グラフ

それで、この比熱比を上げるためには、燃料に対して空気の比率を大きくすることと、燃焼温度を下げるという2つの要素で比熱比は上がる。つまり、空気を薄い状態にして燃焼させることで、それはリーンバーンということになるが、リーンにすればするほど、比熱比は上がるということになる。

ちょっと話は逸れるがキーになるポイントがある。それは、実際の空燃比を理論空燃比で除した(割った)値が大きくなるとリーンになる=空気過剰率を大きくするということで、空気過剰率は実際に供給する空気量をL、理論上必要な最小空気量をL0とあらわすとき、このλ(ラムダ)が空気過剰率になり、λ=1が理論混合気(14.7)、λ>1がリーン、λ<1がリッチ混合気ということになる。

次に燃焼温度を下げるのは、燃料に対して気体の比熱比を上げることになり、つまり、リーンバーンである。もしくは大量のEGRによって比熱比は下がってくる。この時、燃焼温度が高いと分子が振動したり、分解したりすることにエネルギーを取られる。そのため温度を抑えたほうが比熱比はあがるわけで、熱が仕事しやすい、熱効率が高いということになるわけだ。

マツダ スカイアクティブX 燃焼温度と比熱比の相関関係グラフ

こうしてリーンにすれば、リーンにすること自体で比熱比が高くなり、燃焼温度が低下することも加えると、ここでも比熱比が高くなる。つまり、熱効率があがるわけだ。熱効率が高いということは少ない燃料で走行することができるということでCO2削減という図式になる。

さらに、リーンにするとピストンやシリンダーヘッドの壁面との温度差が小さくなり冷却損失が減る。そして空気量を増やすのでスロットルバルブによるポンプロスも低減できるというメリットも生まれてくる。

■SPCCIという燃焼方式

では次にどのくらいのリーンにするのか?というと、このスカイアクティブXは、現在のスカイアクティブ-Gの約2倍の空燃比というリーン燃焼だ。つまり空燃比λ>2 であり、30以上の空気過剰率を狙っているのだ。(λ1=14.7、λ2=29.4)

マツダ スカイアクティブX 理想とする空燃比のグラフ

A/F(空燃比)>30レベルのリーン燃焼がスカイアクティブXの正体なのだが、その課題として、火花点火では火炎伝播できず燃えなくなる。そこで、理論空燃比の2倍以上の薄さでも、高圧縮で高温・高圧にすれば圧縮着火により燃焼が可能になるのが理屈だ。

マツダ スカイアクティブX SPCCIの有利な点の図解

ただし、NOxの発生も確実に発生を抑えつつ燃焼を起こすために、プラグ周辺では少し濃い混合気で着火させているという。このときの空燃比はどの程度なのか。λ1とλ2の変化は?そして、NOxはλ1に適応する三元触媒で処理しているのか?など不明なことはあるが、マツダの説明ではグラフのような制御が行なわれており、ブレークスルーしていることは間違いない。

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