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マツダ HV並の燃費を実現する「スカイアクティブ X」とは何だ? 火花点火併用の圧縮着火エンジンを新開発

2017年8月9日

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2017年8月8日、マツダは技術開発長期ビジョンの説明会を開催した。そこでマツダはスカイアクティブ技術、魂動デザイン、モジュール開発/フレキシブル生産を軸としたモノつくり革新というこれまでの柱を基盤としながら、次世代の技術展開のロードマップを公表した。

■マツダ技術戦略の概要

まずエンジンでは、次世代の内燃エンジン「スカイアクティブX」を2019年から導入することに加え、既存のスカイアクティブD、スカイアクティブGエンジンの進化が図られる。さらに注目の電動化技術は、マイルドハイブリッド、電気自動車を2019年から投入すると公表した。またこれに合わせてプラットフォームも第2世代に進化させるとしている。

マツダ 近未来に向けた技術戦略マップ

一方で自動運転技術は2020年から実証実験を始め、25年までに標準装備化を目指すということで、かなり先と位置づけられているのも特長だ。

技術戦略としては、2019年モデルから進化版プラットフォームを導入し、電動化、新世代エンジンを一挙に推進するという戦略が明らかになった。

そしてマツダの従来からの主張通り、各国の排気ガス規制/ゼロ・エミッション規制に対応した電気自動車は投入するものの、低燃費、CO2削減の本丸は内燃エンジンのさらなる改良だとしている。

その象徴が、現在開発中で、2019年に市場投入を計画している2.0Lの「スカイアクティブX」エンジンで、Well to Wheel(原油採掘から実走行まで)のCO2排出量が電気自動車に匹敵する高効率・低燃費=低CO2排出と位置づけられている。

マツダ スカイアクティブエンジンシリーズのヒエラルキー スカイアクティブX

スカイアクティブGは気筒休止機構を追加、スカイアクティブDは第2世代に進化させ、スカイアクティブのシンボル・エンジンとしてスカイアクティブXが位置づけられている

新たに登場するスカイアクティブXはスカイアクティブ・エンジンのトップランナーというポジションで、従来のスカイアクティブGは新たに気筒休止システムを採用してさらに燃費を向上させ、スカイアクティブDはより進化したディーゼルを投入することも同時並行的に行なわれるという。

■スカイアクティブXとはどんなエンジン?

マツダは以前から究極のエンジンとしてHCCI(予混合圧縮着火)エンジンを研究していることを明言していた。もちろん、この究極のガソリンエンジンは、他の自動車メーカー、大学の研究室などが研究に取り組んでおり、日本政府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)でも「革新的燃焼技術」としてテーマになっており、多くの大学の研究室が技術開発に取り組んでいる。

マツダ 火花点火と圧縮着火の違い

HCCIは、ガソリンをディーゼルエンジンと同様な高圧縮状態で自己着火させるエンジンだ。ディーゼルエンジン同様に希薄燃焼が可能になる。通常のガソリンエンジンの燃焼に比べ、自己着火による低温で均質な燃焼となるため、NOxがほとんど発生せず、また内燃機関最大級の熱効率を持つため、大幅なCO2削減効果も見込める。だが、安定して燃焼できる運転状況は限られており、運転変動の大きなクルマ用のエンジンとしては難しいというハードルがあった。

マツダ 火花点火と圧縮着火の違い 切り替え時の問題点

HCCIの運転領域をより拡大するためには燃焼室内の温度をコントロールすることが重要で、そのために燃焼室内ガス温度を正確に把握し、温度をコントロールために燃焼室内に残留する排気ガスの量を、運転条件に応じて変化させることが必要だという。つまりEGR(排気ガス再循環、または内部残留排気ガス)を利用するのが好ましいことが分かっている。

マツダ 火花点火と圧縮着火の違い 圧縮着火は低速燃焼 火花点火は急速燃焼 イメージ図

HCCIの低速燃焼(上)と通常の火花点火エンジンの急速燃焼

マツダも、最適な運転幅が狭いHCCIと通常の点火プラグによる火花点火の切り替えが極めて難しいことは確認しているはずだ。そのため実用化のステップとして圧縮着火の範囲を広げつつ、圧縮着火と通常の火花点火による着火の切り替えを制御できる技術を追求することにしたわけだ。つまり点火プラグで制御された圧縮着火による燃焼を使用するという技術である。

マツダ 火花点火と圧縮着火の違い そのポイントのイメージ図

マツダ 火花点火と圧縮着火の熱効率の違い イメージ図

スカイアクティブXは、圧縮着火に点火プラグを利用するという逆転の発想を採用しているのが注目される。その結果、点火プラグによる火花点火を利用した圧縮着火システム、スパークコントロールド・コンプレッション・イグニッション(SPCCI)と名付けている。高圧縮比の希薄混合気に火花点火を行なうことで、点火プラグの周辺で火球が膨張する、つまり高圧縮の均質な混合気の中で一定の成層燃焼を加えることで燃焼室内各所で自己着火が行なわれるという。

マツダ 火花点火と圧縮着火の切り替え 点火プラグによる制御

このように圧縮着火の引き金として点火プラグを使用するため、正確にはHCCIとは異なるが、HCCIのコンセプトと同様に、圧縮着火により超希薄燃焼(超リーンバーン)で低温燃焼を行なっている。希薄混合気での低温燃焼であれば、燃費が良いことに加え、通常のリーンバーンで大量に発生するNOxを大幅に抑制できるのだ。

マツダ 点火プラグを使った火花点火制御圧縮着火 Spark Controlled Compression Ignition イメージ図

そのためスカイアクティブXは大量のEGRを使用して燃焼温度を下げている。しかし低・中負荷ではそれが可能でも、高負荷では出力が得られないため、その段階では高圧の空気、つまり過給された空気を導入して出力を得るというシステムにしている。

マツダ EGRによる燃焼室の温度制御 イメージ図

つまり低負荷域では大量EGR/高圧縮比の下で希薄・均質燃焼を行ない、高負荷では電動のコンプレッサーで過給を行なう燃焼システムで、恐らく供給する過給気圧を無段階に変化させることで、SPCCIと通常の火花点火燃焼をシームレスに切り替えているのではないかと想像できる。

マツダ スカイアクティブX 電動コンプレッサー配置図

このスカイアクティブXは、大量のEGRを使用するため低負荷でもスロットルバルブはほぼ全開状態でポンピング損失を少なくできること、低・中負荷域でリーンバーンができること、過給効果によりトルクを大きくできることが特長だ。

マツダ スカイアクティブX 燃料消費率とトルクの相関グラフ

マツダ スカイアクティブX 加速グラフ

マツダ スカイアクティブX 現行エンジンとのトルク比較グラフ

そしてトルクが増大した分だけ、ギヤ比を高め、燃費を約30%向上させることができるという。現時点での試算では、ハイブリッド車並みの燃費が実現できるとされている。

今回、初めて公表されたスカイアクティブXエンジンはまだまだ詳細技術は不明だが、徐々に全体像も明確になってくるはずだ。

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