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ル・マンで勝つためにトヨタは何をやったのか?

2017年6月2日

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2016年のル・マンでの惜敗。残り3分の悲劇「I’ve no power,no power」悲痛な叫び声が無線機に響く。中嶋一貴がトップでチェッカーを受けるはずだったのに… 2017年は雪辱の年だ。すでにシルバーストーン、スパ・フランコルシャンの2レースを終え、トヨタGAZOO RACINGは連勝中だ。

2016年のル・マン。残り3分。誰もが予想しない結末だった

2016年のル・マン。残り3分。誰もが予想しない結末だった

2017年5月、ル・マンまであと一か月というタイミングでトヨタ・GAZOO RACINGは報道向けに記者会見を開いた。2017年度のマシン説明会だ。GR開発部部長の村田久武氏から、前回の反省を踏まえ、トヨタは何をやってきたのか説明を受ける。

WECトヨタ GAZOO RACIGの村田久武氏

WECトヨタ GAZOO RACIGの村田久武氏が長年ハイブリッドレーシングカーをけん引する

TS050hの解説の前段として、村田部長からGRカンパニーの開発部として近い将来、夢のレーシングハイブリッドカーを市販することも視野に入れて、開発することになったと説明があった。つまり、トヨタのハイブリッド技術の最先端であるWEC開発チームは、WECのマシン開発過程で知り得た知見を市販車輌にフィードバックしていく役目を新たに担ったということだ。

海外の自動車メーカーにおけるレース活動というのは、自動車会社のエリート集団であり、そこで得た情報を市販車(レースカーも市販車にも)にフィードバックするというのが一般的で、日本のようにレース活動が市販車両開発と関連していないというのは逆に珍しいケース。GR開発部のタスクとは、特にドイツメーカーのように、開発のトップ集団がWECマシンを開発し、その知見を市販車に活かしていくというスタンスでの携わり方になったというわけだ。

また、パワートレーン開発に関わる関係者は社内だけにとどまらず、関連企業の協力もあるので、開発過程での情報は関係部署に還流される構造もあり、今後は一緒に成長していくということも付け加えられた。

■トヨタのハイブリッドレーシングカー

レクサスGS450h THS-R

2006年十勝24時間に参戦したレクサスGS450hはTHS-Rというハイブリッドレースマシン

さて、近年でのトヨタのWEC挑戦は2006年からスタートしている。当時はレーシングハイブリッドという概念は世界中見渡しても存在せず、トヨタだけがトライしていた。当時トヨタが持っていたTHSⅡというハイブリッドシステムをサーキットに持っていったらどうなるのか?ということからレースがスタートしている。

翌2007年に十勝24時間レースに出場して完走し、その経験からレーシングハイブリッドの方向性が決まったという。そこから毎年開発は続けられ、レース用ハイブリッドシステムとしては2017年のWECマシンが第7世代になるそうだ。それがル・マンに出場するTS050hというモデルだ。

■2016年の反省を踏まえ

2017年のマシンはレギュレーションに従ってモノコックはキャリーオーバー。また、エアロに関してはフロントスプリッターの最低地上高が15mm上げられ、16年が50mmだったところが65mmに変更されている。またリヤデフューザー高も200mmから150mmに下げられ、幅も1100mmから1000mmに狭められているため、面積も大幅に縮小するレギュレーション変更が行なわれている。

2017年エアロに関してもレギュレーション変更があった

2017年エアロに関してもレギュレーション変更があった

これらのレギュレーション変更は、ダウンフォースを半減させることが目的であり、安全の観点からも速くなり過ぎたコーナリングスピードを落とすことだ。そのため16年のパワートレーンスペックで、このレギュレーションに適応した車体で走ると、ラップタイムで4秒遅くなる、ということだ。

もちろん、それではレースに勝てない。レギュレーション変更は全チームに適応されるものの、ル・マンに勝つためには、レギュレーションに適合させつつ、エアロダイナミクス性能の見直しをするのは言うまでもない。また、それ以外も徹底的に見直しを行ない、すべてが新開発され、それはサスペンション、クーリングレイアウトにまでおよぶ。肝心のパワートレーンも、スペック表では16年モデルとみかけは同じだが、内容は全く異なっているという。

■対策として

これらの変更を受け、まず、エアロダイナミクスでは、徹底的なドラッグ(抵抗)の削減を試みた。空力の効率は、ある一定量のダウンフォースを出すために、どれだけのドラッグをかけるのか?という割り算のアルゴリズムがあり、当然16年モデルよりも効率的なエアロダイナミクスを達成できているという。

具体的には、床下のダウンフォースが最も効果的なことが分かっているので、床下に徹底的に空気を流し込み、フロント、リヤのダウンフォースを復活させるというコンセプトの設計をしたということだ。

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