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お決まりなんてアウトオブ眼中!チェッカーモータースのカタログがナウい! 前編

2017年5月13日

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現在の輸入車カタログは、基本的には本国版と同じ体裁のものがほとんど。本国と同じ写真を流用しながら、日本仕様に設定のない装備について画像修正しただけのカタログも少なくありません。しかし、今から20年以上前の輸入車業界では、日本のインポーターが独自にカタログを制作するのが一般的でした。それらの中には、今では決して許されないような自由な表現があったりして、大らかな時代ならではの楽しさが感じられます。今回はそんな懐かしのインポーターが制作したカタログの中から、チェッカーモータースが作ったカタログをご紹介します。<レポート:北沢剛司/Koji Kitazawa>

お決まりなんてアウトオブ眼中!チェッカーモータースのカタログがナウい! 前編

■現在のチェッカーモータースは2代目?

チェッカーモータースは、もともと1971年に兼子眞氏が創業した輸入車ディーラー。1983年にはフィアットの日本総代理店となり、個性的な輸入車を数多く販売することで知られていました。その後2001年に兼子氏が経営から離れ、2010年には当時の福岡クライスラーに吸収合併され、商号変更されました。そのため、現在のチェッカーモータースはいわば2代目。初代チェッカーモータースと同様にフィアットやアルファ ロメオなどの販売を手掛け、現在フィアットクライスラージャパンのディーラーの中ではシェアNo.1を誇っています。

でも昔からの輸入車好きにとって、チェッカーモータースといえば、環八の玉川田園調布交差点にあった旧本社ショールームの印象が強いのではないでしょうか。環八沿いの敷地にフィアットやアルファ ロメオなどの新車と中古車がたくさん展示されていた光景を思い出す方も少なくないでしょう。

気になる現在の様子ですが、都内のタクシー会社が営業所として旧本社ショールームをそのまま使用しています。そして交差点の角地にあたる部分には、現チェッカーモータースのアルファ ロメオ田園調布/フィアット田園調布/アバルト田園調布が営業を行なっています。建て替えで街並みが一変してしまう東京の中でも、このエリアだけは当時の面影が今も残っていて、ある意味貴重な存在といえそうです。

■リトモは美男・美女に乗ってちょんまげ?

そんなチェッカーモータースが制作したカタログの中で、最初にご紹介するのがフィアット・リトモ 105 TC。1978年に発表されたフィアット・リトモは、コンパクトなハッチバックモデルでありながらWRCにも参戦し、スポーツイメージの強いモデルです。エンジンは1.6L直列4気筒DOHCで、ウェーバー製ダウンドラフトキャブを装着。最高出力105psを発揮していました。このカタログでも、表紙のキャッチコピーで早くもスポーツマインドを盛り立てます。

チェッカーモータース FIAT リトモ105TC カタログ表紙

チェッカーモータース FIAT リトモ105TC カタログ表紙

S字、U字、L字、Y字の連続だね、日本の道路。ワインディングの王者、リトモ105がモテルわけだ。

S字とU字はいいとして、L字とY字はかなり強引な表現です。これならどんなアルファベットでも道路になってしまいそうです。そして「モテルわけだ。」と結び、なぜかモテ方向に話を振っています。当時の若者にとってクルマ選びはBOY MEETS GIRLに重要な意味を持っていたため、「モテルわけだ。」は必要不可欠なキーワードだったのでしょう。

ちなみに表紙には絵葉書のようなカットが使われていますが、英文の内容はリトモとは何の関係もなく、表紙になぜこのカットを選んだのか、制作から30年以上経つ現在もいまだに謎のままです。

チェッカーモータース リトモ 105 TC カタログ中面1

カタログを開くと、右上には日本で撮影された写真が入ります。これは日本のレジェンド・ドライバーである黒沢元治さんが筑波サーキットの第一コーナーをクリアしているシーン。本国の写真素材にはスタジオ撮影された静止状態の写真しかなかったため、走りのイメージを持たせるために撮影されたのでしょう。

ちなみに正式な車名は「リトモ 105 TC」ですが、チェッカーモータースでは「ツインカム リトモ 105」の名で販売していました。ツインカムであることを強調するため、モデル名も日本独自に変えてしまったのです。こんなところにも、チェッカーモータースのユニークさが表れています。

チェッカーモータース リトモ 105 TC カタログ中面2

さらにページを開くと、「美男と美女のスーパーBOX。ヨーロッパは疾走する、ツインカムリトモ105。」のキャッチコピーが現れます。ページを開いた途端にいきなり「美男と美女のスーパーBOX。」とは、あまりにもハードルを上げすぎではないでしょうか。イタリア車とのラブストーリーは突然にはじまるものですが、これでは熱いハートに冷や水を浴びせる結果になってしまいそうです。さらにいえば、3ドアのハッチバックボディを「スーパーBOX」と表現するセンスも個性的です。

このように、従来にはないユニークな表現でまとめられたフィアット・リトモのカタログ。当時の言葉でいえば、さしずめ「新人類」と呼べる内容でした。

後編はウーノやモークのカタログの話。来週2017年5月20日(土)に掲載しますので、おたのしみに。

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