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燃料電池車は本当に普及するのだろうか?課題は何だ?その1

2017年2月7日

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フォークリフトもFCVとなった

フォークリフトもFCVとなった

先日、トヨタは工場内で使用するフォークリフトを順次FCV化していくというニュースが流れた。そこで改めて水素社会になるためには何が課題なのか?考えてみた。現在、CO2排出問題や限りある化石燃料の使い方など、自動車のエネルギー問題は近年大きな課題に直面している。ハイブリッドやプラグインハイブリッド、あるいはダウンサイジングや燃焼の高効率化などといった技術が使われた市販車輌が一般化し、また、一部ではガソリンや軽油を使わない電気自動車の推進も始まっている。これらの問題に関したレポートを2回に分けてお届けしよう。<レポート:高橋 明/Akira Takahashi>

こうした状況のなかで先進自動車のあるべき姿は何か?という議論も当然行なわれていて2016年、「一般財団法人 日本自動車研究所」が主催する「先進自動車シンポジウム」がありその内容をお伝えしよう。

シンポジウムには経済産業省の資源エネルギー庁の燃料電池推進室長の戸邉千広氏、東京工業大学の岡崎 健教授をはじめ、一般企業からは川崎重工業、岩谷産業、トヨタ、ホンダ、GMで燃料電池に取り組む人たちが参加し、それぞれの立場から将来の燃料電池についての取り組みや諸問題、課題などの進捗報告とパネルディスカッションが行なわれた。

このシンポジウムでは将来、水素エネルギーを使った循環型社会を作ることが現在のベストではないと考えているもので、そのためには・・・・という課題と議論というわけだ。
つまりはエネルギー問題となるわけで、これは自動車メーカーの枠を超え、国の政策、そして世界の国々、特に先進国同士の連携も必要となるわけで、将来どうなるのか?一国民としても興味のあるところだ。

■クルマの問題として
クルマ好きの間では電気自動車が将来のクルマにもっとも近い、とか、ディーゼルだ!プラグインだ!という話はよく飛び出す。しかし前述のエネルギー問題がボトムにあるわけだからクルマの燃料以外、つまりは産業用のエネルギー、家庭での電気やガスといったエネルギーまでも関連してくる大きな枠組みの中で考えていかなければならないことになる。

クルマで考えればCar to Tankの議論で終わってしまうが、そこはwell to wheelで考えなければいけないということだ。クルマを効率よく走らせるには燃料タンクに何を補充すればいいのか?という視野ではなく、エネルギー源である井戸(原油)からクルマが走るまでを考えていかないとダメだということ。

今の電気自動車の難しいところは、電気を発生させているのは原油からの発電(火力)がメインで、東日本大震災以来、原子力発電は減少している。そして水力、風力、太陽光発電、地熱発電なども日本の消費電力の数%程度にも満たない供給量というのが現実だ。したがって、安倍政権は原発再稼働に力を注ぎ、少しでも化石燃料由来の発電を抑えて行こうという狙いがあると思う。が世論は許していない。

また、ドイツは原発NOを宣言しているし、アメリカは自国内でシェールガスの発見により、中東をはじめとする海外からの原油輸入に頼らなくてもいい環境になっている。フランスは原発賛成派で唯一日本と似た状況とも言えるわけだ。

さて、こうした状況の中で水素を使ったエネルギー供給は可能なのか?という研究が行なわれていて、カーメーカー以外も積極的に研究をしている。そして記憶に新しいトヨタのMIRAIが水素を使ったクルマとして2015年に市販し、2016年3月にはホンダからも燃料電池車「クラリティFC」が発売されたというのが現状だ。

燃料電池車というのは、水素を使って発電しその電力を使って走る電気自動車のこと。いわゆる電気自動車は先ほどの火力発電からの電気を充電して走っていて、燃料電池車は自分で発電して走っているので、同じ電気自動車なのだが、そこの違いがあるので単に電気自動車とは呼ばず燃料電池車という言い方をしている。また、燃料電池車は自ら発電するため、従来の蓄電というやり方ではないので、現在の蓄電池(バッテリー)を使った電気自動車とはライバル関係というわけだ。

このような状況下において、国はどうしようとしているのか?ということでは資源エネルギー庁である経済産業省から、このシンポジウムで説明がありイメージしている未来像が見えてきた。

■経産省のイメージ
当然、国の政策になるので、クルマの燃料ばかりではなく国のエネルギー政策の枠組みで考えているわけだ。それは水素のサプライチェーンをイメージしている。つまり、エネルギー源となる水素をどうやって作るのか?どうやって供給するか?ということに対してフェーズ1からフェーズ3までのステップを作り、2040年ごろにはCO2フリーの水素供給システムを構築するというロードマップだ。

活用例
つまり、水素で発電するのはいいが、その水素をどうやって作るのか?ということが問題でもある。現在の水素生成は石油や天然ガスなどの化石燃料を使って発電し、その電力を使って水の電気分解から水素を作るという方法。あるいは製鉄所などから排出される副生水素を供給するという状況だ。

これらの水素製造を国内に限らず、世界中で行ない欧州ではパイプライン整備が進んでいるので、そこに流す。また液体水素や有機ハイドライドなどに形を変えて輸送することが可能で、輸送された水素によって燃料電池車のスタンドやエネファームなどの家庭用に、あるいはこの水素を使って発電するなどの利用方法が進行中というわけだ。

2040年実現

経産省はフェーズ1-3にわけ、2040年の実現に向けてスタートしている

中期的にはこの化石燃料において未利用のエネルギーといわれる褐炭(かったん)の活用も考えているという。褐炭は石炭よりも燃えやすい化石燃料で、扱いの難しさから採掘された場所での利用に限られているということだが、移送の課題がクリアになると未利用エネルギーの活用になるということだ。そしてその先の長期的なものとして風力、太陽光などの再生可能エネルギーの活用を増やすというロードマップが描かれている。

市場規模予測

経産省が描く、水素インフラを含めた市場規模の予測

おおまかに経産省のロードマップはこのようなイメージが描かれていて、最大の特徴というかメリットとしてはCO2フリーの他に、水素を使って発電した電気は形を変えて保存することが可能になるという魅力がある。

次回に続く

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