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NSX試乗レポート フィードフォワード制御の 新しい曲がり方

2016年12月4日

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いつも試乗テストする箱根エリアで新型NSXに試乗する機会があった。すでにインプレッションメカニズム解説は既報だが、これまでレポートされていない部分も見つかったのでレポートしよう。<レポート:高橋 明/Akira Takahashi>

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試乗は御殿場をベースに東名高速、箱根峠、芦ノ湖スカイライン、乙女峠など走り慣れたルートで3時間ほどドライブできた。すでに、いろいろなメディアでも報道されていてNSXのトルクベクタリングによる四輪駆動、3モーターのハイブリッド、異次元のコーナリング性能、2370万円という高額商品、という情報であふれている。また、横置きの開発から始まり、紆余曲折あって縦置きに変わり、アメリカ主導で開発してきた、といったところが記事に多く報道されている。

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さて、新しい曲がり方と言われる新型NSXのキーポイントだが、従来、ハンドルを切る、モーターがラックを動かす、タイロッドが動きタイヤが切れるというフィードバック制御だった。が、2モーターによるトルクベクタリングは、操舵自体がアクチュエーターとなり、操舵信号が送られた瞬間の1/1000秒でトルクが伝わる世界になった。

つまり、操舵信号の時間をコントロールすることで人が違和感なく操縦できていると感じるように仕上げ、かつこれまで以上に素早くコーナーを駆けぬけることができるシステムだということだ。つまりフィードフォワード制御であり、微分カーブの新しい作り方であり、化学から生じるグリップ力との調和を作りだす次世代のスーパースポーツである、というのがNSXの本当価値、意味、だと理解している。

■ そもそも、なんでアメリカ主導の開発なんだ?

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今回の2代目NSXの開発には初代NSXの開発に関わった人も多くいるのだろうか?正確にはわからないが、取材で聞いた範囲では、車体研究開発の塚本亮司氏とシャシー開発&運動性能アドバイザーを務める和田範秋氏の名前が挙がるていどだ。

そのあたりの理由として、やはりハイテクのモデルであり、若い力必要とされる部分でもあり、だが反面、感覚と物理現象が合わないこともあるため、ベテランの力も必要だという時代背景があるのだろう。もちろん、開発はアメリカと並行してやっており、一台分としてのダイナミクスのとりまとめはアメリカのスタッフが行なったというわけだ。

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では、なぜ、アメリカ主導になったのだろうか。理由はいくつか考えられるが、メインマーケットはアメリカであり、アメリカの研究所で開発し、専用工場を建設するのが、効率がいいと考えるのが道理だったかもしれない。

だが、アメリカとの並行開発で問題はないのだろうか?前出の和田氏によれば、「最新デバイス付きのクルマなので、どこまで乗り手に感じさせるか?とか、いろんな議論を重ねました。主義主張はやはり違ったりするのですが、NSXのコンセプトを考えた時、違和感につながることは排除する方向が良いという考えに一致して決めています。走行モードについても必要以上に大きく差が付くようには設定してません。これは、むしろアメリカ人からの提案でまとめています」

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という話が聞けた。意外にもアメリカのスタッフはコンサバな印象だ。モード切替に対しては、誰にでもわかりやすいくらいに変化をつけるべきかどうか?は相当な議論があったようだが、自然に走れるということにまとまったということだ。

■サスペンションセッティング

そうなると、サスペンションのセッティングとかでも意見の食い違いはあったはずだ。ただ、NSXのコンセプトのひとつに、乗心地の硬さを意識することなく乗れること、というのがあるため、アメリカは道が悪いことと、長距離を移動することを踏まえたセッティングにしたということだ。

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このあたりは欧州車との比較でも価値観の違いがあり、どこに落とし込むのか?難しいところだったのだろう。

試乗してみると、アンジュレーションの強い場所では、タイヤの荷重が抜ける場面があり、そのときトルク制御がうまくできていない。クルマの動きとして少し違和感があると感じる場面があった。もう少しダンピングを効かせて抑えることも可能だろうが、そうすると乗り心地が悪くなるわけで、このあたりがアメリカセッティングということかもしれない。

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また、スポーツ+モードの時にスナッチ(パワートレーンがマウントから動くときに出る)が大きいと感じることもあったが、先ほどの和田氏によれば、パワートレーンのマウントの問題ではなく、アクセル開度の制御がいわゆる早開きで、スポーツ+のアグレッシブな部分として設定しているという。

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だが、コーナリングでのパーシャルなどではギクシャクしてしまう部分もあると感じるので、もう少しゼロからオンにしたときの出力特性は寝かせた方が良いと思う。

この辺りも、アメリカ仕様の日本車ではメーカーを問わず議論される部分で、ニッサンスカイラインの35型の時に、「アメリカ人の好み」という話を開発陣から教えてもらった記憶と重なる。長年V8型のトルクフルなエンジンに親しんできたアメリカ人は、ちょっとアクセルを踏んだだけで、ズバッと加速するのが好きで、そうした嗜好を反映しての制御なんだろう。こうしたことから、仕向け地仕様というのがあってもいいかもしれないと思った。

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それと、もうひとつ気になったのはリヤのコンプライアンスステアだと感じる場面だ。芦ノ湖スカイラインを走ってみると、アンジュレーションがきつい路面が多々ある。サスペンションの横力に対する剛性は非常に高いとエンジニアは自信をもって説明するので、入力の分散という視点で言えば、剛性の弱いところに力が集中してしまうことが起こる。

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和田氏によれば、コンプライアンストーは、トーイン方向に微小に動くが剛性は非常に高いという。したがって、剛性を上げる方向ではなく、いなす方向のチューニングも必要ということかもしれない。

一方、サウンドに関して、アメ車の魅力にドロドロという、ランブル音がある。このあたりは意識してランブル音がでるようにしているというが、NSXはアイドリング時や、40km/h前後での車列走行しているときは静かだ。例えば、マセラティのV6とか、1000万円クラスのモデルでもいい音がしていて、いいクルマ買っちゃったなぁ、って満足感がある。そうした意味ではもう少し演出の世界があってもいいと思う。

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観光客からも注目度は高い。

こうした演出やエクステリアの細かな仕上げ、インテリアのしつらえの部分ではさらに煮詰める必要がありそうに感じたが、冒頭に書いた新しいクルマの世界を提案した日本を代表するスーパースポーツモデルだということだ。

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