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テスラ イーロン・マスクCEOが「テスラ パート2の始まり」を宣言 テスラ流近未来とは?

2016年7月25日

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アメリカで受注を開始した「モデル3」とイーロン・マスクCEO

2016年7月20日、テスラのイーロン・マスクCEOは、同社の次なる「マスタープラン・パート2」を発表した。この「マスタープラン・パート2」は、テスラ社の今後の事業戦略を意味するものだ。

イーロン・マスクCEOは、「私が10年前に書いた最初のマスタープランは最終段階に入りました」と語る。最初のマスタープランとは、同社の目指すEVは、高額なので少量生産車に特化する、その売り上げでより低価格な中量生産車を造る、さらにその売上げで、より低価格な大量生産車を造るということ、そしてソーラーエネルギーを提供するという4点だった。

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「テスラがステップ1から始めなくてはならなかったのは、私がPey Pal社(オンライン金融決済サービス)の売却で得た資産でできる最大限のことだったからです。成功する可能性がかなり低いだろうと思い、最初は自分以外の人の資金にリスクを負わせるべきでないと考えました。これまでに自動車メーカーとして成功したスタートアップ企業は非常に稀です。そして2016年の時点で破産していないアメリカの自動車メーカーは合計で2社、フォードとテスラのみです。自動車メーカーを作ること自体、愚かなことと言えるかもしれませんが、まして電気自動車メーカーを考えるなどは愚の骨頂だったのです」とマスクCEOは語る。

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2006年に発表され、2008年に発売されたテスラ社の最初のモデル「ロードスター」

さらに「少量生産車でスタートしたということは、より小さくシンプルな工場で、ほとんど手作業でクルマを造ることを意味します。スケールメリットがなければ、何を作ろうとも高額になります。それはエコノミーセダンでもスポーツカーでも変わりません。でもスポーツカーであれば少なくとも何人かは高額を支払っても良い、という人はいるでしょう」というのがテスラが最初に目指したところだ。

このようにテスラのスタート段階でマスタープランを発表したのは、テスラに否定的な人々に反論することだったという。テスラは金持ちのためだけにクルマを造ろうとしているとか、スポーツカーメーカーに特化しようとしているといった批判に対する反論としてマスタープランを示した。がしかし、批判を抑制することはできなかった。

マスタープランは、テスラの長期的な戦略を明確にし、同社が目指しているのはすべての人々の未来の、よりよい生活を実現するために、持続可能エネルギーの台頭を加速することを示すことはできた、とマスクCEOは語っている。

イーロン・マスクCEOは、「私たちがどこかの時点で持続可能なエネルギー経済を達成しなければ、化石燃料を燃やし尽くし、文明は崩壊します。持続可能性を達成できるのが早ければ早いほど良い」と考えているのだ。

■マスタープラン パート2

さて、テスラ社のマスタープラン パート2は次のようなものだという。

・エネルギー生産と貯蔵の統合

バッテリーとソーラーパネルを統合した、美しく、間違いなく機能する製品を作ることで、一人ひとりが自分の電気を作れるようにし、それを世界規模で展開。注文、設置、サービス契約、電気を制御するスマートフォンアプリはすべて一元管理する。

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テスラとパナソニックが合弁事業としてネバダ州に建設しているリチウムイオン・バッテリーを生産するギガファクトリー(完成予想図)。風力発電と太陽光発電を多用した巨大な最新工場で2016年末に完成予定。2017年から出荷を開始する計画だ。自動車用とパワーウォール(最大10kWhの家庭用リチウムイオン蓄電池)の18650規格のリチウムイオン・バッテリーを大量生産する

これはテスラとソーラーシティ(2006年に設立された太陽光発電会社。イーロン・マスクが所有)を統合することを意味する。この2社が、同じような起源と、持続可能エネルギー経済を達成するという共通の重大な目的を持つにも関わらず、別々の会社であるのは、偶然の成り行きだったという。

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テスラ社が発売する「パワーウォール」。リチウムイオンバッテリーを使用した家庭用蓄電システム。夜間電力で充電し、家庭内の電力、EVの充電に使用。もちろん送電網とも連携するスマートグリッド構想も盛り込み済みだ

テスラが充電装置のパワーウォールを大量生産し、ソーラーシティがソーラー発電システムを提供できるようになった現在、この2社を統合するのだ。

・より多様な車種を展開

現在、テスラはプレミアム・セダンの「モデルS」とSUVの「モデルX」という比較的小規模なセグメントで展開している。次に登場するモデル3とコンパクトSUV、そして新しいピックアップトラックを販売し、ラインアップの拡大により市場の大部分をカバーできるようになる。

カリフォルニア州フリーモントにあるテスラ本社。元はトヨタ・GMの合弁会社NUMI

カリフォルニア州フリーモントにあるテスラ本社。元はトヨタ・GMの合弁会社NUMMI(ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング)

現在必要なことは、できるだけ早く生産台数を増やすことだという。テスラがクルマを造るためのマシンの開発を行ない、工場自体のロボット化などにシフトており、2018年頃は大幅な生産能力の向上を果たすとしている。

またテスラは、一般ユーザー向けのEVだけではなく、あと2つのタイプのEVを構想している。それは大型トラックと都市型輸送バスだ。これらは共に開発の初期段階にあり、2017年には発表できる予定だという。大型トラック 「Tesla Semi」は、貨物輸送のコストを大幅に削減するだけでなく、安全性を向上し、操作も楽なトラックだという。

都市型バスは、自動運転化技術を採用することでより小型化。バスの中央の通路をなくし、より乗員数を多くするとともに、アダプティブクルーズ機能を装備することでスムーズに走行できる。また、このバスの運行に従い既存のバス停に「呼び出し」ボタンを設置。さらに、車いす、ベビーカー、そして自転車を乗せられるようデザインするという。

・自動運転化

自動運転化の技術の進化に合わせ、テスラはすべてのモデルに完全自動運転のためのハードウェアを搭載する。クルマのどのシステムが故障した場合でも、安全に自動運転を行なうフェイル・セーフオペレーション機能を備えるという。もちろんそのためにカメラ、レーダー、ソナーなどハードウェアを実装するためのハードルよりも、ソフトウェアの開発・実証にかなりの時間が掛かることが織り込み済みだ。さらに本当の自動運転が法的に認められるのに相当な時間を要することも認識している。世界中で自動運転が法的に認められるまでに100億km単位の実績が必要になると予想しているが、現在は世界中のテスラ車は1日で500万km程度の走行実績を重ねているという。

テスラの現在の運転支援システム「オートパイロット」、前方センサーとしてカメラとミリ波レーダー、クルマ全周をモニターする超音波センサーから構成される。ウインカー操作による自動レーンチェンジ、ハンドル手放しも許容されるレベル2システム

テスラの現在の運転支援システム「オートパイロット」、前方センサーとしてカメラとミリ波レーダー、クルマ全周をモニターする超音波センサーから構成される。ウインカー操作による自動レーンチェンジ、ハンドル手放しも許容されるレベル2システム

イーロン・マスクCEOは、なぜテスラが今、完全自動運転の実現まで待つことをせず、部分的な自動運転を実装しているのかを説明する。「最も重要な理由は、それを正しく使った場合、人間が運転するよりもかなり安全性が向上するということです。そのため、単にメディアの論調や法的な責任を恐れてリリースを遅らせることは、道徳的に許されることではないと私たちは考えているからです」という。

「2015年のNHTSAレポートによると、自動車による死亡事故は走行距離1億4240万km毎に1件と、8%増加している。自動運転機能を使用した走行距離は近いうちにその2倍を超え、システムの性能は日々向上しています。一部の人々が呼びかけているようにテスラの自動運転機能を無効化することは、このシステムの名称の元となった飛行機のオートパイロット システムを無効化するのと同じくらい理解できないことです」とマスクCEO。

さらにテスラが自動運転機能を「ベータ版」と位置付けている理由も説明している。「これは一般的な単語の意味するベータ・ソフトウェアではありません。テスラのソフトウェアは顧客向けのリリース前に必ず厳しい社内審査を通ります。ベータと呼んでいる理由は、気を緩めないためと、それがこれからも改善されていくことを表すためです 。ベータのラベルは、その安全性がアメリカの自動車の平均の10倍になった時点で取り外します」と語っている。

・カーシェアリング

完全自動運転が法的に認められる時代になれば、どこからでも「呼び出しアプリ」でテスラ車を呼び出しできるようになる。一旦乗り込めば後は目的地に到着するまで眠ったり、本を呼んだりすることもできる。

また、テスラのオーナーはテスラ・アプリ内のボタンをタップするだけで自分のクルマをテスラ シェア フリートに加えることができ、仕事中や旅行中などのクルマが必要ない時にカーシェアに提供することで収入を得ることができるとしている。これにより月々のカーローンやリースの支払いをオフセットでき、場合によってはそれ以上の収入を得ることが可能になる。したがって多くの人はテスラ車を所有することで実質的な所有コストが大幅に削られるということになる。そして、ほとんどのクルマは1日の5~10%程度しか使われていないのが実情のため完全自動運転車の経済的なメリットは大きいわけだ。

顧客の所有するクルマだけでカーシェアリングの需要をカバーしきれない都市では、テスラ社が専用車を用意するので、どこにいてもいつでもテスラ車に乗ることができるようになるという。

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このようにマスタープラン パート2は、蓄電バッテリーとシームレスに統合されたソーラーエネルギーシステムを構築するテスラ社は、主要セグメントをカバーできるようEVの製品ラインアップを拡大すること、そして世界中のテスラ車の実走行から情報を取得することで、人間が運転するよりも10倍安全な自動運転機能を開発することとしている。

さらに、クルマを使っていない時間は、そのクルマをカーシェアリングに提供することでオーナーが収入を得られるようにする、というのがテスラ流の近未来のエネルギーとモビリティの世界をプレゼンテーションした内容だ。

これから10年後に果たしてこれらは実現するのか、興味深い。

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