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【舘さんコラム】2020年への旅・第23回「次世代車をめぐる旅その2 ハンドル争奪戦争勃発」

2015年8月14日

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舘内端コラム2020年への旅 第23回 003

自動運転自動車メルセデス・ベンツF015のモデル。模型のうちは良かったが、まさか実際に走るとは

シーマは、私は…
前回から始まった【次世代車をめぐる旅】は、寄り道をしたおかげで早くも暗礁に乗り上げてしまった。2代目シーマを試乗し、東名高速道路で自動運転を楽しんでいた私は、用賀料金所を目の前にして自動運転と格闘することになったのだ。

当時の交通法規は、まだ自動運転を考慮したものではなく、ハンドルから手を離しても自動で車線をキープし、車速一定で走ることができた。ちなみに現在はハンドルから手を離すと自動運転は解除される。それをいいことに、私はローダーの後ろに着いて追従モードにセットすると、腕組みをして、足はシートの座面に載せてあぐらをかいたのだ。不謹慎そのものである。

海老名SAを出発したシーマは、用賀料金所を目指して車線をキープし、ローダーの後ろに行儀よく付いて走った。だが、料金所が近づき、ローダーが進路を変えて目の前からいなくなり、白線も消えると、シーマは私のインプットした指令通りに100㎞/hまで加速しつつ、白線を求めて左に旋回したのだ。ふと左側を見ると白線がある。シーマのカメラは、これをセンシングしたのだ。それと気づいた私は、まずはブレーキペダルを踏んでオートクルーズを解除した。続いてハンドルを握り直し、進路を料金所のゲートに向け、難を逃れた。

ニッサンは自動運転車を近々に発売するという。この当時から自動運転システムの開発に注力していたのだから、当然だろう。だが、当時のシーマの半自動運転のレベルで現在の自動運転システムを考えてはいけない。革命ともいえる進歩があったのだ。それは、主に画像や音声などの認知機能の恐ろしいまでの進歩である。

私は、2015年の3月にかつての認知機能からは想像できない機能をもった自動運転車に乗ることができた。運転はできなかったので、試乗ではない。それはメルセデス・ベンツのF015と呼ばれるコンセプトカーである。

自動車評論家は不要か

メルセデス・ベンツF015にはサンフランシスコで乗った。ロボットの運転するF015に同乗試乗したというか、そういうことだ。しかし、それではあまりにも悔しいので、「私は日本では少しは知られた自動車評論家だ。この間は『トヨタの危機』という本を出して、大いに評価された。その私をさしおいてロボットに運転させるとは何事だ。私に運転させろ」と、近くのメルセデスのスタッフに言おうと思ったが、よけいバカにされるような気がして止めておいた。

Intelligent Drive Experience with the Mercedes-Benz research car F 015 Luxury in Motion in San Francisco 2015

テスト会場に現れたメルセデス・ベンツF015

だが、奇妙な体験であることに変わりはない。自動車を運転して、「ターンインでコーナリングパワーの立ち上がりに難があり、舵の操作に対してクルマの応答に遅れが出る」とか、「コーナリングの限界時にリヤタイヤが外に出るような挙動を感じる」とか、「制動の初期にツツッとディスクローターが滑る感じがある。ブレーキパッドの温度上昇がもう少し早いと食いつき感が向上するだろう」とか、これぞ自動車評論家の極致、醍醐味、真価が問われる場面で、カーメーカーのエンジニアとの楽しい会話がまったくできないなんて、哀しいではないか。

以上の体感はすべてロボットに所有権がある。運転できない私には、立ち入る権利がないのだ。それを承知で日本からサンフランシスコまで連れてきて、「乗せられて見ろ」というメルセデス・ベンツ日本は、いったい私に何を期待しているのだろうかと、少し萎縮してしまった私の脳みそで考えてみたが、良く分からない。

良く分からないが、F015の評価には少なくともこれまでの自動車評論の手法は通用しないことは分かった。また、F015は自動車評論あるいは端的に自動車の商品性の評価を評論するメタ評論的な道具であることもわかった。つまり、自動車評論とは、あるいは自動車の商品性の評価とは何かを評論するのに好都合な道具だということだ。

そこまではわかったのだが…。後が続かないので、とりあえずボロをかくさず従来型の自動車商品性評価をして、恥をかきながらF015像に迫ろう。<次ページへ>

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