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ジャガー 新型XE試乗by清水和夫「トラウマのプレミアムコンパクト」

2015年6月9日

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国内でも正式発表されたジャガー新型XE。いち早く海外で試乗してきた

ジャガーにとって2015年6月に発表した新型「XE」は、絶対に失敗できないモデルである。失敗できないと強調するのは、ふたつの意味があるからだ。

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試乗レポートは清水和夫氏

そのひとつはBMW3シリーズと同じDセグメントのセダンは、15年くらい前に「Xタイプ」として誕生している。そのときの国際試乗会はフランスで開催されたが、数10台の試乗車が用意されるほど大規模な一大イベントであった。この「Xタイプ」はフォードグループの一員として、フォード・モンディオ(エンジン横置きFF)ベースで開発されたのである。ジャガーの伝統フロントエンジン・リヤ駆動のFRという掟を破ってFFのコンパクトジャガーが誕生したので、往年のジャガーを知る人は困惑した。

最終的にはFF車とAWD、セダンとステーションワゴンが登場したが、アメリカ市場を狙ったものの、販売は不振に終わった。この頃のジャガーは常軌を逸していたかもしれない。フォードのリソースを使って、一気に拡大する路線を引いたのである。Xタイプの上にはBMW5シリーズに相当するSタイプが誕生した。このモデルはFR車だったが、リンカーンのプラットフォームで開発していた。初代Sタイプはお世辞にもジャガーとは思えない走りに落胆した。

結局ジャガーは伝統的にスポーツカーと高級車のメーカーだったので、コンパクトセダンとアッパーミドルの開発は得意ではなかった。フォードもフォードで、低コストでもジャガーブランドを使えば売れると間違った判断を下していた。結局XとSタイプは失敗したのである。

しかし、フォード時代に挑戦した良い出来事は、アルミボディをジャガーのコア技術とする戦略を実践したことだ。2003年ごろに登場した3代目XJはオールアルミのボディを実用化した。この投資はフォードも協力的で、特に生産技術の面ではフォードの技術も貢献した。往年のダブル6(V型12気筒)のエンジンは姿を消したが、アルミボディがXJのアイコンとなったのだ。

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◆アルミボディはジャガーのアイコン
あまり知られていないが、ずっとジャガーのアルミボディをウオッチングしてきた私としては、今回のXEの4世代目のアルミボディに注目している。2003年の初代XJから始まったアルミボディは2013年に登場したスポーツカー、Fタイプにも採用され、同じ会社となったランドローバーの高級車レンジローバーにも、アルミボディが採用された。

そして今回XEの名前で誕生したプレミアムコンパクトにもアルミボディが使われている。このプラットフォームは兄貴分のXF(近日中に発売予定)とジャガー初のSUVとなるFペイス(F-Pace)にも採用される。つまり、XEのアルミアーキテクチャーは台数的にももっとも多く生産されるが、XFとFペイスが揃った時に、ジャガーはすべてのモデルがアルミボディとなる。

JaguarXE_TechnicalExhibits_001アルミボディでは先駆者的な役割を演じていたアウディよりもアルミ化が進む。これはジャガーにとって大きなアドバンテージとなるだろう。

新型XEの発表に際して、ジャガー・ランドローバー社のラルフ・スペッツCEOは先代モデルのXタイプの失敗を認めているし、その失敗から学ぶことができたと述べている。しかも新しい社主であるインドのタタは、ジャガーのエンジニアチームに絶好のチャンスを与えたのである。新しい工場と新しいパワートレーンとボディが巡ってきたのだ。

しかし、初めて実物のXEを見たときは正直に言うと驚きはなかった。すでに市場に存在していたかのような普通のたたずまいは、ややもすると退屈なデザインではないかと思ってしまう。実際にジュネーブショーで見た印象はそんな感じだった。

この少し保守的なデザインはむしろ意図的であると、イアン・カラム氏率いるジャガーのデザインチームは考えていた。というのもXEのセグメントは欧州では法人需要も多く、あまり大胆なデザインは嫌われるからだ。しかしスポーツサルーンであるジャガーのDNAは守りたい。とはいえサルーンとしての後席の実用性も重要である。この二つの課題を克服することがデザインチームの重要な仕事であった。カラムは60年代に活躍した往年の「ジャガーMk2」を遠くで意識していたと告白している。

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デザインと実用性を高い次元でバランスさせたXEのボディスタイル

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