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燃料電池車 「MIRAI」は水素社会のドアを開けたのか?

2015年4月24日

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東京都心の芝公園にオープンしたイワタニ 水素ステーション芝公園。今回はここで水素重点を行った

東京都心の芝公園にオープンしたイワタニ水素ステーション「芝公園」。今回はここで水素充填を行なった

燃料電池車(FCV)のトヨタMIRAIは、2015年2月24日に市販1号車のラインオフが行なわれているが、初期受注が予想以上の台数になっているため、納車待ちの状態はまだまだ続く。現状では月産50台~60台のペースだが、今後は増産体制をとり、2016年には月産150台以上にする計画だ。

通常のライン生産のクルマとは異なり少量生産になっている理由は、燃料電池スタック内部の空気流路である3Dファインメッシュが超精密加工を要すること、高圧水素タンクの強度を高めるためのカーボンファイバーの巻き付け工程が匠の技、つまり手作業に頼っているからだという。

トヨタ 元町工場のMIRAI生産

トヨタ 元町工場のMIRAI生産

増産決定により、2017年には年産3000台とする計画だが、一般的なクルマに比べれば圧倒的に少ない。月産数1000台といったレベルに引き上げるためには、FCスタック内のセルの構造のさらなる革新、高圧水素タンク製造の自動化など、大量生産のための新たな技術開発が求められている。

3Dファインメッシュ

超精密プレスで作られる3Dファインメッシュ

ナイロン樹脂、カーボンファイバー、ガラスファイバーの3層構造の高圧水素タンク

ナイロン樹脂、カーボンファイバー、ガラスファイバーの3層構造の高圧水素タンク


MIRAIはマスコミでは「究極のクリーンエネルギー車」と言われているが、現在のMIRAIは、水素をエネルギー源とする燃料電池車という新技術の尖兵という役割であり、経済産業省が2014年6月に発表した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」に従ったクルマで、まだ量産化への道筋は容易ではない。

ロードマップでは、2015年~2025年を燃料電池技術の実用化、水素利用の拡大の段階と位置付けており、その代表選手が家庭用燃料電池(エネファーム)と燃料電池車だ。燃料電池車は2015年に量産型乗用車の投入、2016年には量産型バスの市場投入が見込まれている。そして燃料電池車は実用・普及段階の2020年頃には約5万台が普及し、2025年頃には大量生産が可能になり、車両価格も現時点のハイブリッド車と同等とすることが目標とされている。

また一般的には、水素・燃料電池戦略ロードマップの目指すものが誤解されていることが多い。策定されたロードマップの冒頭には、「我が国のエネルギー供給は、海外の資源に大きく依存しており、根本的な脆弱性を抱えている。また、新興国のエネルギー需要拡大などによって、資源価格が不安定化している。そして、世界の温室効果ガス排出量は増大し続けている。(中略)本年(2014年)4月に策定された新たなエネルギー基本計画では、エネルギー政策の基本的視点として、「3E+S」、つまり安全性(Safety)を前提とした上で、エネルギーの安定供給(Energy Security)を第一とし、経済効率性の向上(Economic Efficiency)による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合(Environment)を図ることが確認され、多層化・多様化した柔軟なエネルギー需給構造の構築に向けて取り組んでいくこととされた」と述べ、エネルギー・セキュリティを高める手段とされている。

つまり中東依存の石油エネルギーと、ベースロード電源と位置付けられる原子力発電の危険性や存続の不透明性が現れている現状から、海外依存度の小さく、多様な原料から精製でき、安定的なエネルギー供給ができる第3のエネルギー源として水素が位置付けられいる。これまでの石油から原子力発電へというエネルギー政策から、石油、原子力、水素という分散型エネルギー政策へのシフトを意味している。そして将来的には水素を利用した発電、産業用電源をも視野に入れられているのだ。

現状の水素は、ほぼ化石燃料、石油や天然ガスから生成されているため海外依存度は高いが、本質的には製造原料の代替性が高く、将来的には国内における再生可能エネルギーから水素を製造することも視野に入れられている。したがって現状の燃料電池技術、燃料電池車は、使用段階でのゼロエミッション、ゼロCO2フリーに限られており、この点では電気自動車と同様である。

オフサイト型水素ステーションには圧縮機や高圧水素の貯蔵タンクなどが必要

オフサイト型水素ステーションには圧縮機や高圧水素の貯蔵タンクなどが必要

2015年を水素エネルギー普及元年と位置付け、燃料電池車・MIRAIはその先駆けとされているのは、燃料として使用される水素のインフラの整備が求められるからだ。燃料電池車より先に実用化、量産化された家庭用電源「エネファーム」は都市ガスを利用し、水素に改質して燃料電池発電を行なうシステムであるため、都市ガスの既存インフラを利用できるが、純水素を使用する燃料電池車には水素ステーションを全国に展開し、水素製造メーカーから各地の水素ステーションに水素を運搬する供給網を構築する必要があるのだ。

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